沖縄パン日誌

作った、買った、食べた、沖縄のおいしいパンにまつわる記録。

コーヒーとパンのおいしい関係

コーヒーとパン。

一緒にいただくことも多いこのふたつ。f:id:mutsumin33:20190128205017j:image

 

以前何かのイベントで、

パンとコーヒーに特化したものがあって、

事前告知の記事を読んだときに、

パン屋さんにはパンに合うコーヒーを、

コーヒー屋さんにはコーヒーに合うおすすめのパンを紹介する、

というコーナーがありました。

 

コーヒー屋さんが考える、コーヒーに合うパンは、「クロワッサン」とか「バターロール」、

パン屋が考える、パンに合うコーヒーは、

多くのお店が「ブラック」「アイスコーヒー」との答えでした。

 

きっと、どちらかがどちらかを引き立てる、

という発想なのでしょう。

どちらの気持ちも今ならわかる気がします。f:id:mutsumin33:20190128205431j:image

 

コーヒーは、

産地によって酸味と苦みの違いがあり、

豆の焙煎具合、挽き目の荒さによって、

楽しみ方が無限に広がります。

最近は、産地にこだわったスペシャリティコーヒーなどもありますし、

沖縄ではやんばるや石垣などで栽培もされています。


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パンにおいても、

粉の産地による違いで、作るパンによって合う合わないなどあったり、

北海道のはるゆたかや、春よ恋などの国産小麦も随分メジャーになって、

かと思えば、

バゲットなどはやはり中力粉に近い粉が向いていたり、

ディンケル(スペルト)小麦のパンも最近よく見かけるようになってきました。


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(「365日と日本橋」のディンケル小麦の食パン。滋賀県産のディンケル小麦を60%配合)

 

専門家にしかわからない、それぞれの個性や魅力を引き出し、味わってもらうには、

シンプルなものを合わせるのが大事。

どちらも本当に奥深いなあと思います。

 

わたしは、

コーヒーをブラックで飲むなら必ずアイス。

ホットなら、牛乳を入れたりします。

でも何より好きなのは、飲むより淹れることかも。

いちいちめんどくさいハンドドリップで、

香りや、コーヒーにお湯をそそぐ時間が好きなのです。

そして思い出したら、パンも作る方が好きなのでした。最近なかなか作れていませんが。

【番外編】コーヒー収穫体験

パンに合うもの、ということで、

やんばるでのコーヒー収穫体験の記録。


cookhalのワークショップで、今回滑り込みで申し込みできました。
ずっとやってみたかったのです。わーい!
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コーヒー園での収穫から。
コーヒーは日光や風に弱いので、
ヘゴの木などのシェードツリーに囲まれて栽培されています。
今回訪れたコーヒー園も、
地形的に谷間になっていて、
風の影響を受けにくいので、栽培に向いているとのことでした。
元はみかん作っていた場所なんですって。


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1本の木から3、4キロ収穫できるそうなのですが、
その30%は完熟していなかったり、良くない豆で、

収穫しても精製の過程で取り除かれたりして、
結局、1キロの豆から100グラムしか製品にならないそうです。
びっくり。気が遠くなる。
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鈴なりにびっしりと実がなっている木の枝から、
赤く熟した豆を探します。
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この実のつき方もおもしろい。
まるで宝探しみたいで夢中になった。

 

カップ1杯分を収穫します。

これで約1杯分のコーヒーになるそう。
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豆を水の中に放って、沈んだ実だけを使います。
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この時点で豆の数は約半減。
うそでしょー!、という気分になる。

 

実の中から種を取りだして、
水洗いし、乾燥機にかけて、薄皮をとばすと、
かさも減るのでさらに減ってしまった気分になる。
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切ない。


焙煎します。

網であぶって乾燥させてから、焙煎機に入れ替え、

ひたすら火の上で振ります。

無心になれるこの作業は大変だけど嫌いじゃない。
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仕上がりがこちら。
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カップの底にちょこんと。

あれだけ頑張って収穫したのに…

 

そして、最終的に粉になったのは、なんとわずか7グラム。
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淹れるとカップ半分ほどにしかならない量。
普段100グラムとかで粉を買ってるわ、と思うと、飲むに至るまでの道のりはなんて果てしないんでしょう!

 

ランチをはさんで、いよいよいただきます。

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わたしの7グラムの豆は、
淹れたら色が薄めだったけど、
味は苦みもありながら、すっきりした後味で飲みやすかったです。
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このあと、産地別のコーヒーで味の違いを飲み比べたり、
スペシャルなエスプレッソもいただきました。
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自然にたくさん触れ、コーヒーのこともいろいろなお話が聞けて、

本当にいい経験で楽しかった。大満喫の一日でした。

 

帰りにファーマーズで、

八重岳ベーカリーのしょうがパンを購入。

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意外なほどぴりっと、しっかりしょうがの味がします。

 

【おまけ】

コーヒー園に残っていたみかんの木、

ちょうど実がたわわになっていて、

ひとつずついただきました。

無農薬で、とってもおいしかった!

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北谷・RINのバゲット

メロンパンが看板商品のRIN、

近くを通ったので行ってみたら、

ちょうど焼きたてに当たりまして。

網目のところの茶色い部分が、

程よくカリッとして、

帰りの車でほくほくしながら帰ってきました。

 

今回のメインは、

前に訪ねたときに気になっていたバゲット
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少し太めで、クープは真ん中一本。

焼き色が美しい!

 

ちぎってみました。


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香ばしい外皮に、中のクラムがもっちり。

水分量が程よい感じです。

あっと言う間に半分食べてしまってました。

 

今回はお昼時だったので、

ごはん系パンや、サンドイッチ、

あとベーグルも充実していました。

 

冷蔵ケースには、ベーグルやバゲットに合わせる、

クリーム系のチーズが食べきりの量で売られていました。

これうれしいですね!

 

きょうのお店:RIN(北谷)
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2018年のパン事情を振り返る

年末の沖縄、ようやく冬の到来で、

強い北風が吹くようになりました。
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2018年を振り返ると、

新規オープンも少ないながらいろいろありました。

 

いまいぱん古島店・1/7プレオープン

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/02/07/200958

 

RIN・7月オープン

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/10/26/193525

 

流行りとしては、サンドイッチを出すお店やカフェが増えた気がします。

ベーグルも流行ってるのかわからないけど、気づいたらベーグル屋さんって結構あるんだ、と思いました。

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/11/10/162313

 

食パンも、全国的にまだまだブーム。

特に高級食パン。

日々のパンが高級になってしまったら、

それはもう別カテゴリのものになってしまうようにも思いますが。

 

健康や安全、地産地消の観点から、

県産小麦や、素材へのこだわりは相変わらず見聞きします。

 

シンプルパン

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/12/17/215220

 

富澤商店も沖縄に上陸。

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/10/19/191953

 

パンのイベントも個性的なものが増えた気がしました。

沖縄麦うまちー

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/05/21/173819

 

パンで人が集められるということに、世の中がようやく気づいてきたというか。

 

個人的には、

14年使ったオーブンを買い替え、

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/07/29/214650

 

雑誌の編集部からお声掛けいただいたりしました。

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2018/10/17/155350

 

あと、わたしはどちらかというと、パンが出来上がる過程が好きらしい、ということに気がつきました。

なので、今年は例年より食べなかったなあと思います。

 

来年はどんなパンと出会えるのでしょうか。

完成形であるパンよりも、素材を追求するかもしれません。

突き詰めたらきりがない。そこがおもしろいのです。


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若狭・麦庵の全粒粉のパン

以前、那覇市西のパシフィックホテルのすぐ隣に、

古い小さな建物があって、

「麦庵」(ばくあん)

という、こじんまりとしたパン屋さんがありました。

 

素朴なパンが多く、

中でもライ麦パンがお気に入りで、

隣のホテルで仕事があったりすると、

休憩時間など隙を見つけて買いに行ったこともありました。

おいしいのに、あまり商売っ気がなくて、

ライ麦パンも、確か週末だけだったか、

曜日限定で販売していたように記憶しています。

 

ほんの一時だけ、

泉崎に移転か支店を出していたこともありました。

でもすぐにそっちはなくなって、

もとのお店だけになっていました。

 

それからしばらく。

その周辺に行く用事もなくて、ご無沙汰していたら、

いつの間にかその場所には新しいアパートが建っていました。がーん。

 

今でこそ、おいしいライ麦パンの選択肢も広がりましたが、

5、6年前(たぶん)の当時は、

わたしの好みに合ったのがあのライ麦パンだったので、

また食べたいなと思っていたら、

ようやく発見しました!
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もしかしたら閉めてしまったのかと、諦めていたのですが、

ある日ネットサーフィンしてたらたまたま見つけたのです。

「この店探してます」というタイトルで、

まさに記事を書こうとしていた、絶妙のタイミングでした。

 

「今日はもう種類少なくて」と言いながらも、

全粒粉生地の、チョコ、レーズン、くるみのまあるいパン、

そしてライ麦パンがひとつ。

 

この時、先にいらしていた女性の方が、

先にどうぞ、と順番を譲ってくださって、

あまりたくさん買ったらなくなっちゃうわと思い、今回は、チョコとくるみにしました。

チョコ
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 くるみ
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いつも思うんですが、生地がおいしいのです。

こないだ自分で焼いた、全粒粉の丸パンに似ていて、

外側は香ばしく、中はほんのりとした甘み。かむほどにおいしさが広がります。

 

「前のところにある時よく伺ってて、なくなっちゃって探してたんです」

と、店主のマダムに話すと、

「あらー、そうだったの、でもこちらに来てもう二年たつのよ。こちらの方もあの頃よく来てくださってたのよ」と、先に譲ってくれた女性に向くと、

その方は、

「前は市役所の近くにもあったわよねぇ」

と!

それ知ってるってかなりのファンですね!

「でもすぐなくなったのよね」などと、ひとしきり話に花が咲きました。

 

その方は店内のカウンターで、

「私もコーヒーいただこうかしら」と、

さらに先に来ていたお客様の隣に座ると、

「こっちは私の親戚だから気にしないでね~」

と、何だかのんびりとした雰囲気。

店を出てから、わたしもコーヒー飲めばよかったな、と、少し後悔しました。

 

営業スタイルがかなりゆるいので、

確実に買いたいなら行く前に電話を。

開いてたらラッキーくらいの気持ちがいいかもしれません。私も一度目はクローズでした。

場所的にも、店構えも、訪れるにはなかなかハードル高めですが、

素朴なパンとゆったりした雰囲気はおすすめです。
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 きょうのパン屋さん:

麦庵(若狭)

営業は午後から

不定休、土日はやってるそう

とびらにOPENの札がかかってたらGO!

豊見城・シンプルパンのカンパーニュ

久しぶりに行きました。シンプルパン。

ノアレザンを買うつもりが、

いろいろ見たら迷ってしまいまして。

 

前回はノアレザンや、喜びのビスケットなどを買いましたが、

http://breadokinawa.hatenablog.com/entry/2016/11/23/200000

 

 今回は、

スペルト小麦のカンパーニュ
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手のひらに乗るくらいの、かわいいカンパーニュ。

皮の部分が香ばしく、口に入れた瞬間からふわっとやさしい甘さが広がります。

砂糖は使ってないのに、こんなに甘さが出るのか!と感動しました。

レーズンから起こした自家製酵母を使っているので、その甘みですよ、

と、パンを焼く奥様が教えてくださいました。

そういえばクラムもレーズンの風味がしたような気がしました。
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カンパーニュといえば、ライ麦を使ったりして、

独特の酸味が苦手な方もいますが、

これはほんとうに素朴で自然な甘さが際立っていて、食べやすい。

スペルト小麦100パーセントです。
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そして、「新製品!」とPOPにあった、

カシオペイア

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どーん!と迫力ある姿。

その名の由来は、児童文学小説「モモ」に出てくるゾウガメなんだとか。

お子さまが小さい頃にこの本をよく読んでいて、

そのカメの形に似ているから、なんですって!

 

いただいたパンフレットには、

材料についてや、パンづくりへの思いがつづられていて、

ついに小麦の自然栽培も始められたらそうです。
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この小麦畑見てみたい!

色がとてもきれい。

 

今は職場が遠くなってしまって、なかなかしょっちゅうは行けないけど、

ご夫婦の雰囲気がとてもすてきで、

おいしいパンとともに心も温まるような気がします。

 

次は食パン食べてみたい。

この姿がかわいすぎる!ずっと眺めていたいほど。
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きょうのパン屋さん;

シンプルパン(豊見城
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食パンを焼いてみる

先日購入した食パン型を使って、

食パンを焼いてみました。
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いつものように、

はるゆたかと、伊江島で買った全粒粉「ニシノカオリ」を混ぜて、と準備していたのですが・・・

予備発酵させた酵母の様子がいつもと違うのです。先日買った、とかち野酵母さん。

 

こないだベーグルを作ったときと、
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今回。
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いつもなら10分ほどでぶくぶく膨らんでくるはずなのですが、なんか勢いが足りない。

入れたお砂糖が少なかったかも、と、

もう一度やり直すも、そんなに大差なく。

 

どうしよう。

でも全く膨らんでないわけじゃないから、

いけるだろうと判断して、

最初に発酵させたほうの酵母を使って焼きます。

 

こねて、一次発酵。

発酵前と、
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発酵後。約1時間。
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大丈夫そうですね。

一次発酵をさせすぎるのがこわくて、

しょっちゅうフィンガーテストしてしまいます。

アルコール臭がしたら発酵過多。

まだ発酵が足りないほうがリカバーできます。

でもとかち野酵母は、あんまり発酵臭がしないようです。

 

ベンチタイムから、成形して、

いよいよ型に入れての二次発酵。

 

発酵前。
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30分経過。
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1時間くらい。
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いよいよフタをして焼きます。

ドキドキ。

焼き上がりがこちら。
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角が上がるか心配でしたが、ちゃんと上がった。

というか、むしろ角張りすぎて、

上がりすぎかも。

 

フタ開けたらこんな感じでパンパンでした。
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スライスしてみます。

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耳が薄い!わたし、耳がけっこう好きなんですけど!

そしてやっぱり上がりすぎて角がとんがってる。笑

 

ところで、

予備発酵がうまくいかずに、酵母をもうひとつ仕込んでしまったので、

どうせなら焼いてしまおう、と、

全粒粉を薄力粉に置き換えて焼いてみます。

この日まさかの二本焼き。

 

薄力粉を混ぜると、強力粉だけよりも、

もっちりした食感になるようです。

 

1回目の反省を活かすべく、

二次発酵は型の八分くらいでオーブンへ入れました。

 

そうすると、こんな焼きあがり。
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素晴らしい!このくらいが理想!

少し角が白くて丸いくらいがいいのです。

パン屋さんの食パンみたい。

 

本日二回目の焼成でもあり、

少し型に沿ってパレットを入れただけで

スポッときれいに抜けました。爽快!

 

味はもう完全に好みですが、

薄力粉のほうがわたし好みでした。

 

今回わかったことは、

・とかち野酵母は発酵がゆっくりかも

・二次発酵は型八分

ということでした。

結局どちらもちゃんと膨らんだから、

予備発酵でそんなにぶくぶくしなくてもいいのかもなあ。

 

食パン面白い!

でも食べきれないから誰かもらってください。(けっこう切実です)


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